チームの研究が読売新聞に載った。朝日新聞にもなんかの機会に載るかもとのこと。日経は無いっぽい。
プレスリリース版とJNSブリコミのリンクも貼っときます。
まず読売新聞の記事を読んで、意味わかんねー!と思ってプレスリリース版を読むのが吉。ちなみにプレスリリース版にはこないだ私が描いた不思議な先生の図も入ってるから要チェックだぜ!図1と図5が私。他はbibiさん。
あ、ほかのプレス記事も見ていったら、うちのとこのビジュアル面が異常に濃いことがわかるはず。普通はもっと淡泊。でもどちらが一般向けかと問われたら、濃い方だと思う。
今回の記事についてつらつらと。
プレスリリース版とJNSブリコミのリンクも貼っときます。
まず読売新聞の記事を読んで、意味わかんねー!と思ってプレスリリース版を読むのが吉。ちなみにプレスリリース版にはこないだ私が描いた不思議な先生の図も入ってるから要チェックだぜ!図1と図5が私。他はbibiさん。
あ、ほかのプレス記事も見ていったら、うちのとこのビジュアル面が異常に濃いことがわかるはず。普通はもっと淡泊。でもどちらが一般向けかと問われたら、濃い方だと思う。
今回の記事についてつらつらと。
神経細胞って何!?ってところから話を始めないと、一般の人にはわからないような気もする。英語ではニューロン。
神経細胞はー・・中枢神経(脳)と、脊髄と、末梢神経(手足動かしたり、皮膚の感覚を伝えたり)、あと臓器の活動制御してるものがあります。特定の細胞と、早い情報伝達をしあってる、変な形の細胞と言う認識でいいような気がする。基本的に神経細胞の構造は細胞体と、樹状突起と、軸索からなると考えてくださいな。プレス記事の図1を参照。あとこれ以外の形態をもった細胞もいっぱいあるけど。軸索は情報を伝えるアウトプット部分、細胞体と樹状突起は軸索からの入力を受けるインプットの部分です。
神経細胞同士の情報伝達は、具体的に言うと、、、末梢神経から「耳舐められた」情報が脊髄の神経細胞に渡されて、中枢神経の細胞に渡されて、中枢神経内のいろんな細胞に情報が渡されて行く中で「あ、俺今耳舐められたぞ」というのが知覚されるわけです。また、中枢神経が「ムダ毛処理しないと!」と思ったら、脊髄の方に適切な情報が伝えられて、末梢神経にムダ毛処理動作が伝えられて、末梢神経が筋肉に命令を出して、無事にムダ毛処理が行われるわけです。
神経細胞がどうやって情報を伝達しているかですが、電気的なパルスを使ってると考えてください。詳しくは活動電位とコンデンサと跳躍伝導あたりを見ていけばいいのですが、ちょっとむずかしい。
イメージは細胞体から電気的なパルスが軸索に出されて、軸索の末端までそのパルスが行くと、そこから隣の細胞の樹状突起とかに情報を伝えるための物質がびゅびゅっと出て、それを受けた隣の細胞がまた電気パルスを発生して・・・。電気パルスと言っても、振幅や、周波数が結構いろいろあるので、情報量は多いです。
で、この軸索の末端から、となりの細胞までの、細胞同士が情報の伝達を行うところをシナプスと呼びます。軸索も結構途中で枝分かれするので、細胞Aと細胞Bの間に、シナプスはかなりたくさん作られることになります。細胞BにはA以外にももっとたくさんの細胞から入力されるので、10000個ぐらいのシナプスが、一つの細胞に作られるわけです。
ほんで、今回の研究はこの「10000個」って言った部分を、きちんと定量化しようと言うものっすわ。脳は異なる位置では異なる処理をしてますが、今回の実験では脳のさまざまな位置において、一つの細胞が持つシナプスの数がどのくらい違うのか、かつそれは子供の時から大人になる過程でどう変わるのか、を調べました。シナプスができてるとこには、スパインという突起ができるので、その数を計上して行いました。
脳の異なる位置では異なることをしてると書きましたが、後頭部が視覚!とかそういうアバウトなものではないです。後頭部で視覚情報を「色」とか「傾き」とか細かーい成分に分けて、側頭部まで情報がいく過程で少し統合されて、「クチビルみたいなかたち」とか「ある速さで動く特定の形のもの」といった情報にされ、最終的に「怒った顔」とかいうレベルにされて、視床や大脳基底核、まぁ、脳の中心部分に送られて、認識されるんですわ。なので、後頭部も側頭部も視覚情報処理をしてるし、側頭部は音の情報なんかも扱うし、脳のどこが視覚?ってのはちょっと答えられないわけで。
まぁそれはさておき、ヒト使うと破滅するので、サルを使って実験を行いました。ヒト並に側頭部の視覚野が発達してるのはサルくらいなので、ラットやネコでは不十分。脳の部位は三か所からサンプリングしました。後頭部の初期視覚野と、側頭部のちょっとハイレベルな視覚野と、あと前頭葉のすごいハイレベルな情報処理してるところ。
で、結果はプレス記事の図4なんやけど、サルの3.5か月齢、つまりヒトの14か月くらいですけど、そのくらいの時期までシナプスはどの脳の位置でも増えてて、そこから大人になる過程で、大分削られていることがわかりました。
解り易くFF7でたとえますと、ゲーム始めて「ケアル」と「ファイア」しか持ってない状態で外に出て、いろんな弱点を持ったザコと戦いながら「レイズ」とか「エスナ」とか「ブリザド」とかマテリアを装備していって、最終的にこのフィールドは雷に弱い敵しか出ないから「ケアル」と「サンダー」だけでよかったじゃんといって、ほかのマテリア外す感じ。外すと魔法以外の「HPアップ10%」とかのマテリアをつけるスペースが空くので。
初期視覚野の場合は、生まれた直後に持ってたシナプスの数よりも、大人になった後のシナプスの数の方が少ないので、「ケアル」と「ファイア」もって出かけて「ケアル」だけに落ち着いた感じですね。
定説ではシナプスは「使えば使うほど増える」「使わないやつは減る」だったので、視覚情報の始まりである初期視覚野なんて使い倒される場所なので、うまれたあとシナプスの数はじわじわ増えるだけじゃないの?とかいろいろ疑問があったのです。
iPS細胞を人体に使う時に、どのくらいのシナプスがあれば正常なのかといった判断にも使えますし、脳の異なる場所で、どういう処理が行われているのか(どんなザコが出るのか)も示唆されます。なので重要だ、という研究。
あと、どのくらいの時期まで脳に可塑性があるのか、つまり生まれた時に白内障だった子供を、いつまでに病気を治療したら治るの?ということの裏付けにもなります。まぁ、治療は早ければ早いに越したことは無いけど。
もっともっと裏付けは必要ですが。
あと、実家帰るたびに脳取り出してうにゃうにゃするのがキモイとか酷いとかよく言われますけど、こういう研究がなければ医学側も動かないし、治療案も提案されない。最初は動物に麻酔打つのすら怖いのに、責任感とプライドから自分がやらねば、と実験をする人に対し、キモイと言い放てるのは信じられん。
神経細胞はー・・中枢神経(脳)と、脊髄と、末梢神経(手足動かしたり、皮膚の感覚を伝えたり)、あと臓器の活動制御してるものがあります。特定の細胞と、早い情報伝達をしあってる、変な形の細胞と言う認識でいいような気がする。基本的に神経細胞の構造は細胞体と、樹状突起と、軸索からなると考えてくださいな。プレス記事の図1を参照。あとこれ以外の形態をもった細胞もいっぱいあるけど。軸索は情報を伝えるアウトプット部分、細胞体と樹状突起は軸索からの入力を受けるインプットの部分です。
神経細胞同士の情報伝達は、具体的に言うと、、、末梢神経から「耳舐められた」情報が脊髄の神経細胞に渡されて、中枢神経の細胞に渡されて、中枢神経内のいろんな細胞に情報が渡されて行く中で「あ、俺今耳舐められたぞ」というのが知覚されるわけです。また、中枢神経が「ムダ毛処理しないと!」と思ったら、脊髄の方に適切な情報が伝えられて、末梢神経にムダ毛処理動作が伝えられて、末梢神経が筋肉に命令を出して、無事にムダ毛処理が行われるわけです。
神経細胞がどうやって情報を伝達しているかですが、電気的なパルスを使ってると考えてください。詳しくは活動電位とコンデンサと跳躍伝導あたりを見ていけばいいのですが、ちょっとむずかしい。
イメージは細胞体から電気的なパルスが軸索に出されて、軸索の末端までそのパルスが行くと、そこから隣の細胞の樹状突起とかに情報を伝えるための物質がびゅびゅっと出て、それを受けた隣の細胞がまた電気パルスを発生して・・・。電気パルスと言っても、振幅や、周波数が結構いろいろあるので、情報量は多いです。
で、この軸索の末端から、となりの細胞までの、細胞同士が情報の伝達を行うところをシナプスと呼びます。軸索も結構途中で枝分かれするので、細胞Aと細胞Bの間に、シナプスはかなりたくさん作られることになります。細胞BにはA以外にももっとたくさんの細胞から入力されるので、10000個ぐらいのシナプスが、一つの細胞に作られるわけです。
ほんで、今回の研究はこの「10000個」って言った部分を、きちんと定量化しようと言うものっすわ。脳は異なる位置では異なる処理をしてますが、今回の実験では脳のさまざまな位置において、一つの細胞が持つシナプスの数がどのくらい違うのか、かつそれは子供の時から大人になる過程でどう変わるのか、を調べました。シナプスができてるとこには、スパインという突起ができるので、その数を計上して行いました。
脳の異なる位置では異なることをしてると書きましたが、後頭部が視覚!とかそういうアバウトなものではないです。後頭部で視覚情報を「色」とか「傾き」とか細かーい成分に分けて、側頭部まで情報がいく過程で少し統合されて、「クチビルみたいなかたち」とか「ある速さで動く特定の形のもの」といった情報にされ、最終的に「怒った顔」とかいうレベルにされて、視床や大脳基底核、まぁ、脳の中心部分に送られて、認識されるんですわ。なので、後頭部も側頭部も視覚情報処理をしてるし、側頭部は音の情報なんかも扱うし、脳のどこが視覚?ってのはちょっと答えられないわけで。
まぁそれはさておき、ヒト使うと破滅するので、サルを使って実験を行いました。ヒト並に側頭部の視覚野が発達してるのはサルくらいなので、ラットやネコでは不十分。脳の部位は三か所からサンプリングしました。後頭部の初期視覚野と、側頭部のちょっとハイレベルな視覚野と、あと前頭葉のすごいハイレベルな情報処理してるところ。
で、結果はプレス記事の図4なんやけど、サルの3.5か月齢、つまりヒトの14か月くらいですけど、そのくらいの時期までシナプスはどの脳の位置でも増えてて、そこから大人になる過程で、大分削られていることがわかりました。
解り易くFF7でたとえますと、ゲーム始めて「ケアル」と「ファイア」しか持ってない状態で外に出て、いろんな弱点を持ったザコと戦いながら「レイズ」とか「エスナ」とか「ブリザド」とかマテリアを装備していって、最終的にこのフィールドは雷に弱い敵しか出ないから「ケアル」と「サンダー」だけでよかったじゃんといって、ほかのマテリア外す感じ。外すと魔法以外の「HPアップ10%」とかのマテリアをつけるスペースが空くので。
初期視覚野の場合は、生まれた直後に持ってたシナプスの数よりも、大人になった後のシナプスの数の方が少ないので、「ケアル」と「ファイア」もって出かけて「ケアル」だけに落ち着いた感じですね。
定説ではシナプスは「使えば使うほど増える」「使わないやつは減る」だったので、視覚情報の始まりである初期視覚野なんて使い倒される場所なので、うまれたあとシナプスの数はじわじわ増えるだけじゃないの?とかいろいろ疑問があったのです。
iPS細胞を人体に使う時に、どのくらいのシナプスがあれば正常なのかといった判断にも使えますし、脳の異なる場所で、どういう処理が行われているのか(どんなザコが出るのか)も示唆されます。なので重要だ、という研究。
あと、どのくらいの時期まで脳に可塑性があるのか、つまり生まれた時に白内障だった子供を、いつまでに病気を治療したら治るの?ということの裏付けにもなります。まぁ、治療は早ければ早いに越したことは無いけど。
もっともっと裏付けは必要ですが。
あと、実家帰るたびに脳取り出してうにゃうにゃするのがキモイとか酷いとかよく言われますけど、こういう研究がなければ医学側も動かないし、治療案も提案されない。最初は動物に麻酔打つのすら怖いのに、責任感とプライドから自分がやらねば、と実験をする人に対し、キモイと言い放てるのは信じられん。
銀紅
SUGEEEEEEEEEE!!
高校1年生で習う程度の生物の知識しか持ってないのですが、やっぱりこういうのは興味が湧いて読んでしまいます。
あと4年早く生物と数学の面白さに目覚めていれば……orz
好きなことと得意なことは、ずれが生じるもんですね。。。
高校1年生で習う程度の生物の知識しか持ってないのですが、やっぱりこういうのは興味が湧いて読んでしまいます。
あと4年早く生物と数学の面白さに目覚めていれば……orz
好きなことと得意なことは、ずれが生じるもんですね。。。
2009/03/12 Thu 18:06 URL [ Edit ]
しょさ
あたしゃドットもプログラムも生物も大学に入ってから目覚めましたが、別に遅いとかは思いませんです。その時興味があることを貪れば、すべて血肉とあいなりませう。
2009/03/12 Thu 18:20 URL [ Edit ]
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